複素数の計算をする関数

Excelの複素数(iを使用する式)の関数【IMABS】【IMAGINARY】【IMARGUMENT】の使い方

Excel(エクセル)の複素数関係の関数は10個以上あります。今回は複素数から係数を抜き出したり、絶対値を求めてみたり出来る複素数に関わる関数の3つを紹介します。【IMAGINARY(イマジナリー)】・【IMABS(イマジナリー・アブソルート)】・【IMARGUMENT(イマジナリー・アーギュメント)】と関数を読みます。IM(イマジナリー)から始まる関数がいくつかありますが、これらが複素数に関係している関数になる訳です。Excelを見て数えてみてくださいね。複素数は『2+3i』の様に『i』が付いている式ですね。今回はこの『i』が付いた複素数の関数について3つ分紹介しますので参考にしてみてくださいね。

【Excelの複素数の関数①】複素数はどんな数値なのかチェック

初めに掴んでおきたい内容としては『複素数』はどんな数値なの?って事ですよね?
例えば『2+2i』の様に、『数字+iがついた数字』という式になります。数字の部分を『実数部』、『i』がついている方を『虚数部』と言いますね。Excelの関数の説明ではこの言葉は付き物なので覚えておきましょう。
さて『i』とか『虚数』って何なんだという事ですね。『i』は2乗すると『-1』になる、実際には存在しない数字で『虚数』と言われます。存在しない数値ですが、存在すると仮定してみると計算に役立つことがあったので使われている感じですね。Excelでも複素数を使う事で様々な計算に役立つ事が出て来るので関数が用意されている訳ですね。ちなみに複素数に関係する関数はExcelには『25個』あります。これから増えたり減ったりするかもしれません。存在しない数字の関数がこれだけあるという事は、それだけ使用されている場面が多いという事なんですねぇ。
因みに複素数は下図の様に表される訳なのでイメージしておきましょう!

 

複素数のグラフ

 

【Excelの複素数の関数②】関数の形とそれぞれの関数の内容を覚えよう

さてExcelの複素数の関数について『IMAGINARY』と『IMABS』と『IMARGUMENT』の3つについて確認をしていきます。
関数として共通する事は、『引数に複素数を指定する』というのが今回の関数になります。
形としては

  • 『=IMAGINARY(複素数)』
  • 『=IMABS(複素数)』
  • 『=IMARGUMENT(複素数)』

という感じですね。
セルに複素数を書いて指定しても良いですし、直接書き込んでも大丈夫です。

ここがポイント!

関数に直接複素数を書き込む時には、文字列としての入力になるので『“(ダブルクォーテーション)』を忘れない様にしましょう。

記入例としては『=IMAGINARY(”2+2i”)』という感じですね。
後はそれぞれの関数が何を計算するのかという事ですね。1つ1つの内容を押さえて行きましょう!

『IMAGINARY』は複素数の係数を抜き出す!

 

 

複素数の『係数』というのは、『虚数部に書かれている数字』の事を言います。
『3+2i』の係数であれば『2』という事ですね。Excelの関数を活用する事で、この部分が出てきます。
例えばセルA2に書いている複素数を使ってやってみましょう。
係数を求める部分に『=IMAGINARY(A2)』と記入します。

 

複素数の係数を求める関数を入力

 

複素数の係数が求められました

 

係数が出ているのが分かりますね。
この様に係数を抜き出したい時には『IMAGINARY』関数を活用して行きます。

『IMABS』は複素数の絶対値の計算が出来る!

 

 

複素数の絶対値を求めたい時には『IMABS』を使います。複素数の絶対値は整数の絶対値みたいに符号をとればいいという感じではありません。絶対値は『(実数部の2乗 + 虚数部の係数の2乗)の平方根』となります。下のイメージ図で行くと、複素数までの点を結んでいる赤い線の長さという事になります。
実際にExcelで計算してみると『=IMABS(A2)』と書き込めばOKですね!

 

IMABS関数を入力

 

複素数の絶対値を計算しました

 

絶対値が出てきているのが分かりますね。今回の式で行くと『√(2の2乗 +2の2乗)』でも求められます。結果的には『√8』の数値となる訳ですね。

『IMARGUMENT』は複素数の偏角をラジアンで求める!

 

 

3つ目は『偏角』を求める事が出来る『IMARGUMENT』ですね。
下のイメージ図で行くと『45°』になっているのが『偏角』ですね。直線の傾きの角度になる訳ですね。
この角度が『IMARGUMENT』で求められる訳なんですが、注意点としては答えが『度数法(°)』ではなくて『弧度法(ラジアン)』で出て来るという事です。
実際に計算をしてみますね。
セルに『=IMARGUMENT(A2)』を書いて確定すると、出来上がりです。

 

IMARGUMENT関数を入力

 

複素数の偏角をラジアンで計算しました

 

『45°』をラジアンに直した時の数値になっていますね。
度数法に変えたい時には『DGREES』関数で変更をしておく事をお勧めします。

 

ラジアンを度数に変換しました

 

Excelの複素数(iを使用する式)の関数【IMABS】【IMAGINARY】【IMARGUMENT】を知る|【まとめ】

今回はExcelの関数の中の複素数に関わる物から3つを紹介しました。イメージ図と共に、どこの場所を指しているのか、どこの部分の数値なのかをイメージしてもらうと何をやっているか分かりやすいかもしれませんね。複素数自体は三角関数などとも組み合わせて活用される事があります。Excelでもそれに対応出来る様に関数が準備されているので25個もある訳なんですね。おいおいと紹介して行きたいと思います。複素数を扱う場合の参考になればいいなと思います。